2025/05/06 16:46
『風舟(ふうせん)⒈』
小川のほとり 君と並んで
笹舟流す 夏の午後
ひまわり揺れて 影がのびれば
風の音だけ ふたりのうた
空に架かる虹の橋
誰にも踏めない色の道
指をのばして笑ったね
あの時の空が まだ胸にある
風よ運べ この想いを
水面(みなも)をすべる笹の舟
消えそうで でも消えない
君の声が こだまする
「見て、ひまわりがこっち向いた」
何気ない君のことばが
季節のページをめくる音だった
風よ伝え このぬくもりを
虹の向こうの夏の日へ
あの日のままの 光の中で
僕ら 今も 揺れている